ベトナム社会主義共和国

独立・自由・幸福


グエン・ミン・チエット・ベトナム社会主義共和国主席 殿
グエン・タン・ズン・ベトナム社会主義共和国首相 殿
及び 政府宗教委員会
ハノイ人民委員会
ハノイ市公安局
関係機関各位
緊 急 直 訴 状

2008年9月19日午前、ハノイ大司教区に属するニャ・チュン通り42のバチカン大使館の敷地に於いて、警察機動隊・交通警察隊・公安警察隊・民兵・警察犬の大部隊が集結し、ハノイ大司教区及びニャ・チュン通りを封鎖しました。別の部隊がわたしたちの大使館の正面を掘り崩し、鉄柵と数ヶ所の建築物を取り壊しております。

この敷地は、ハノイ大司教館が幾度も返還を求めてきましたが、未解決のまま、2008年9月18日の晩から9月19日の朝にかけて、テレビ局がこの懸案を取り上げ、映像と内容を歪曲し、この無法行為の正当化するため世論を操作しました。

これらの行為は、政府とハノイ大司教区が進めている対話路線から逸脱し、法律を無視し、カトリック共同体の願望とベトナムカトリック教会の組織を蔑ろにし、政府が公認するベトナム社会のすべての人々の良心、道徳を踏み付けにするものです。

この案件が正当な解決を見ないまま、ハノイ市及びホアン・キェム区の行政機関が武力をもって、わたしたちの財産を破壊することに加担しました。

ハノイ大司教区はこれらの行為に極力反対し、次の通り直訴します。

1. ハノイ大司教館を封鎖し、上記の破壊行為を直ちに中止すること。

2. 当敷地を元の状態で返還し、宗教目的として地域社会に貢献できるよう使用させること。

3. ハノイ市及び関係機関はわたしたちの財産を掠奪したことに全責任を負うこと。わたしたちが自らの財産を守るために可能なすべての権利を有すること。

4. 国家首席、政府首相、ハノイ行政及び関連機関がこれらの行為を中止させるために早急に介入すること。

2008年9月19日ハノイにて

ハノイ大司教館代表
大司教
ゴー・クアン・キェト


2008年9月22日
ヨゼフ ゴー・クアン・キェト大司教 様
ハノイ大司教区
ハノイ市ニャ・チュン通り42

在日ベトナム・カトリック共同体代表
(伊勢崎・川越・東京・大森・藤沢・浜松・名古屋・大阪・神戸・姫路・西都)
在日ベトナム・カトリック司祭修道者代表
ペトロ グェン・フー・ヒェン神父
東京都品川区上大崎4-6-22

大司教様

わたしたち在日ベトナム・カトリック信徒・司祭修道者は、大司教様とハノイ大司教区の信徒の皆さまが目下、味わっている信仰の試練を乗り越えられるよう心を合わせお祈り申し上げます。

また、わたしたちはベトナム国の指導者たち、政府高官及び関係機関が、事実を歪曲し、醜い手段で教区の財産を掠奪し、母なるベトナム教会の名誉を傷つけたことに、強く反対します。

同じ神様の子として、またベトナム人の同胞として、ベトナム国内の人々の正義と権利、特にハノイ大司教区の信徒たちの信教の自由が守られるよう、わたしたちは全力を尽くし、この事実を世論に訴えたいと存じます。

真実の源であり、命の源である聖霊が、大司教様に力を与え、神の羊の群れを司牧し、保護する使命を果たすことができるようお祈り申し上げます。